祖母の靴

  • Day:2007.03.13 00:13
  • Cat:ほか
母方の祖母が亡くなりました。

ずっと入院していたのですが、
1ヶ月前に危篤状態になって、そのまま亡くなってしまいました。

危篤状態になった時には鹿児島まで会いに帰りましたが、
亡くなる瞬間には会えませんでした。

亡くなる瞬間、私は東京で、
あくびをしながらどうでもいい仕事をしていたような気がします。
虫の報せなんか全然ありませんでした。

葬儀のために鹿児島に帰ると、母や伯母がバタバタと準備をしていました。
その場にいる人それぞれに仕事が割り振られ、
それぞれが敢えて忙しそうにわさわさ動いていて、
祖母が死んだなんて全然思えませんでした。

お通夜では坊さんがビジネスライクなお経を唱えて、
それを聞いているうちに祖母が死んだことを思い知り、初めて涙が出ました。

お通夜の後、弟と一緒に棺の中の祖母の顔を見ました。
厚化粧以外は病院で寝ていた姿とあまり変わらず、
思い知ったばかりの祖母の死がまたどこかへ消えてしまったような気がしました。

翌日の告別式では、思い出スライドなんかも流れ、葬儀屋の趣味を疑いました。
葬式は結婚式とは違います。悪趣味もいい加減にしてほしい。

告別式が終わり、棺を火葬場へ運ぶ前、
これ以降は祖母の顔は見られないと言われ、棺のところへ行きました。
まだ生きてるみたいなのに本当に死んでるのかなあ、
本当に焼いていいのかなあ、
生き返ったらどうするの?と思い、
でも生き返らないことはちゃんとわかっていて、涙が止まりませんでした。

棺の中の祖母の頬を触ってみても、やっぱり生きているような気がしました。
そしてそのまま、祖母は一瞬で骨になりました。
それでもやっぱり、生きているような気がしました。


亡くなる3ヶ月くらい前、祖母が靴を欲しがるという話を母から電話で聞きました。
靴を買ってデパートに行こうと母を誘うのだと言っていました。
祖母はリウマチでここ10年ほどはほとんど歩けなかったので、
靴が欲しいなんてちょっとぼけ始めたのかねぇと、母と話したのを覚えています。

でも、買ってあげればよかった。
履けなくても、歩けなくても、
かわいい靴を、祖母が気に入った靴を、買ってあげればよかった。


棺の蓋が閉まる時、そう思っていたら、
白い靴が祖母の足元に置かれました。
母でした。

おばあちゃんが天国で歩けるようにねえ。
靴が欲しかったのにねえ。歩きたかったよねえ。
そう言いながら、母も泣いていました。


火葬の後、
靴は、祖母の身体と一緒に焼けてきれいになくなっていました。

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Comment

ありがとうございます
コメントありがとうございます!
篤姫、全部は見てないんですが、地元では大盛り上がりみたいです。
これからもよろしければ読んでいただけるとうれしいです。
  • 2008/11/03 09:28
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薩摩の女は篤姫
ウエッブサーフィンしていたら、鹿児島のお話がありましたので何かコメントしなければいけないと思い書きました。お母様が鹿児島のご出身ですよね。今年のNHK大河ドラマ篤姫はご覧になってますか。今日は一日中NHK衛星放送で「おおーい!日本」で鹿児島を放送していましたよ。もしご覧になってなかったら24日午後3時過ぎからダイジェスト版を放送するそうですよ。チェスト頑張って!
http://www.ojanse.com/kagoshima/topics/atsuhime.html" target=_blank>http://www.ojanse.com/kagoshima/topics/atsuhime.htmlに篤姫の簡単な記事がありますのでご覧になってください。
なお、次のトップページからはいると、東京にいる鹿児島出身者向けのページになってますよ。
http://www.ojanse.com/" target=_blank>http://www.ojanse.com/
  • 2008/11/02 22:28
  • おじゃんせ
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